先週更新できなかったので今週と兼ねて。
イラストレーションの発注に慣れていない方に起こりがちな事かもしれませんが記録として記しておこうと思います。
「ブログにゆるキャラを入れたいので描き方などを教えて欲しい」とのことでセミナーをしたことがありました。
ちゃんと描くととても短時間では教えられないと思ったのですが落書き程度のものということで行きました。
その講座の中で「例えば」というのを示すために、私がホワイトボードに絵を描きました。
その場にいらした方の会社のイメージを図にしたもの等でした。
後日、ホワイトボードに描いたものを下絵もしくは版として、
知らないうちにグッズ等に使用されていたということがありました。
写真撮影したものを使用したことは、ペンの太さ、かすれ具合、線のはらいの角度など、私の手癖で描いているものなので、そっくりそのままデータ化されていたことで気づきました。
講座は自分で描くのが前提でしたので、参考になるならと思い、写真撮影はOKしたのですが、
その画像の絵をそのまま使用されるとは思わず、大変ショックを受けました。
少々特殊な状況でしたので、真似をして作っていただくのはOKとし、参考として撮影もOKしたものの、それが仇になりました。画像を貼り付けるのなら、そのまま使用したことにならないと思われたかもしれませんが、他人が描いたものを「許可なく商用利用」することはNGです。(厳密にはそっくり真似したものもダメなのですが、今回はブログで描くということで、真似は許可していました。個人的な使用は商用利用ではありませんが、会社のマークやグッズ、広告などは商用になります。)
このことで、撮影した画像からも印刷可能な版にすることが可能なのだと知りました。
オリンピックエンブレムの時も問題になっていたのに一般的にはまだこのような認識なのかと落ち込みました。
イラストレーター側からしたら知らないうちに広範囲に使用されている可能性もあり、リスクが大きいと思いました。
支払いについて言われましたが、会社のキャラクターとなると使用範囲も広く長年にわたって使用の可能性のため詳細を詰める必要もあり、事後報告だったので中止していただきました。
会社のキャラクターなどの場合、同業他社の仕事を受けてはならないというバッティングがイラストレーター側に発生する可能性もあります。取り決めがない場合も、イメージで敬遠されることもあり、そのジャンルでは仕事がしにくくなる可能性もあります。
そのため契約内容を取り決める必要も出てきますし、支払ったらよいという事ではないかもしれません。
作ってしまった分に関しては、対処を考えようと思っていたところ、相手側から「破棄し、今後一切使用しない」とのご連絡をいただきました。なぜ事後報告(加えて間接的)が困るのかをご説明しようと思っていましたが、話は終わりという感じだったこともあり、これ以上お話しても多分聴きたくもないのではと感じました。すでに破棄し一切使用しないとのご連絡でしたので。
かなりモヤモヤする出来事でした。原案として名が出ていましたが、そのまま使用してなぜ原案なのかと不思議に思ったことと、なぜこのようなことが起きたのか不可解でなりませんでした。
あくまでご自分で描いていただくことを前提としていたので…。
困ると伝えたら、びっくりしてメールしました、とのことでしたが、
びっくりしたのは、こちらの方でして、まさか写真に撮った画像を使うとは思いもせず、未だにショックです。せめて事前にお話などがあれば…。
説明するのが時間もかかり、私の心理的な負担も大きいので
次に似たようなことがあった時は外部に依頼したいと思った出来事でした。
あとから冷静になってみるとセミナー時の私の説明ももっと注意深くすべきだったか、注意事項をまとめた用紙を用意しておくべきだったかなど、ぐるぐると考えています。気をつけたいと思います。
セミナーや絵の販売など、図版の扱いを普段されていない方には、事前の取り決めやお約束の提示が必要だと感じました。
あまり細かく話すのもお互いに疲れてしまうかもしれませんが。。。